Fuzzface概論6(実測波形観察1)


<概論3 付図2:Iceo vs 「真のhFE」(2SB422, Temp: 22.0~22.1℃)>

Fuzzface概論3でIceoと「真のhFE」との相関を示したサンプルの一部(2SB422_Sample24, 49, 98)をQ1に用いて(Q2は2SB370_Sample27)、実際のギター入力(1弦12フレットのハーモニクス(E) および 3弦12フレットのハーモニクス(G))に対する出力波形を観察してみます。ここでハーモニクスを使ったのは(1)ギターからの生の出力であること(2)正弦波に近い といった理由からです。


<図1:Fuzzface回路中の出力波形の観測ポイントAおよびポイントB>

図1の回路図のPointAおよびPointBの信号を同時にPowerbookのステレオ入力に直結し、M-AUDIO FireWire410を介してLogic7を用いて取り込んだ音声(サンプリング周波数44.1kHz)の波形を画面キャプチャーで画像化する、というなんだか原始的な方法を用いてます。
とはいえ音声信号を見るくらいのレベル(周波数)だったらオシロより便利かもしれません。
(残念ながらPowerbookのステレオ入力は「音が録れる」レベルでしかなく、計測に使うのは難しいようです・・・)

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<図2:2SB422_Sample24 & 1弦12フレット(E)の出力結果(上段:PointA,下段:PointB)>

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<図3:2SB422_Sample49 & 1弦12フレット(E)の出力結果(上段:PointA,下段:PointB)>

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<図4:2SB422_Sample98 & 1弦12フレット(E)の出力結果(上段:PointA,下段:PointB)>

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<図5:2SB422_Sample24 & 3弦12フレット(G)の出力結果(上段:PointA,下段:PointB)>

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<図6:2SB422_Sample49 & 3弦12フレット(G)の出力結果(上段:PointA,下段:PointB)>

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<図7:2SB422_Sample98 & 3弦12フレット(G)の出力結果(上段:PointA,下段:PointB)>

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<表1:図2〜7の波形観察時のVCB1およびVCB2の値>

表1の結果は、概論3での付図3〜6の結果を簡略化した感じになっています。

Sample24において1弦12フレットのハーモニクスEがマトモに出ない(図2)のは、表1での測定結果よりVCB2が飽和領域どころかマイナスであるためトランジスタが機能していないことが理由と思われます。図5の3弦12フレットのハーモニクスGの場合に多少なりとも出力が行われているのは、入力信号自体がEに比べて大きいためでしょう。

Q1のhFE1が大きくなるにつれてVCB2が大きくなりQ2が飽和領域から離れ、他方VCB1は小さくなってQ1が多少飽和領域に近づいていますが、左記の電気的な状況が出力Bに及ぼす影響はSample49の非対称波形(図3B および 図6B)から Sample98の対称に近い波形(図4B および 図7B)への波形変化として現れています。

投稿者 fff : May 14, 2009 12:46 AM
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